【うさぎコラム】秋の換毛期到来!怖い「胃のうっ滞・毛球症」を防ぐケア
涼しくなり過ごしやすい季節になりましたが、秋はウサギにとって被毛が生え変わる「換毛期」です。抜け毛がごっそり抜けるこの時期に最も注意したいのが、お腹のトラブルです。今回は、ウサギの毛の特徴と、換毛期特有の皮膚の変化、そして欠かせない予防ケアについてお話しします。
1. 柔らかくて折れやすいウサギの毛の特徴
ウサギの被毛は非常に細く、直径は約38μmほどしかありません。
他の動物の毛皮と比べても著しく柔らかく折れやすいという特徴を持っています(そのため、衣料用の毛皮にするのは不向きとされています)。
- ネザーランド系の特徴:首の後ろ(頸背部)の被毛が薄い傾向があります
- ホーランドロップ系の特徴:オスは加齢とともに皮膚が厚くなる(肥厚する)ことがあります
このように細くて絡まりやすい毛を毛づくろいの際にウサギが飲み込んでしまうと、体の構造上「吐き出す」ことができないため、胃や腸の中で毛玉となって詰まり「毛球症」や「胃のうっ滞」を引き起こす危険性があります。
2. 模様ができる?「アイランドスキン」とは?
一部のウサギでは、換毛期に「アイランドスキン(Island skin)」と呼ばれる特有の現象が見られることがあります。
- 毛周期(毛の生え変わりのサイクル)の同調化により、一斉に毛が抜けることがあります
- 毛穴(毛嚢)の数や大きさ、成長ペースの違いによって、皮膚に地図のような発毛の縞模様が現れます
- 毛が抜けた部分(無毛部)にのみ、フケ(鱗屑)や赤み(発赤)が出ることが多いという特徴があります
一見すると皮膚病のように見えるかもしれませんが、通常の脱毛と間違えないように観察することが大切です。ただし、なかなか毛が生えてこない場合や異常を感じた際は、ご相談ください。
3. 飼い主さんのブラッシングが最大の予防法!
ウサギがお腹に飲み込んでしまう抜け毛の量を減らすためには、日々のこまめなブラッシングが不可欠です。換毛期は専用のブラシを使って、皮膚を傷つけないように優しく抜け毛を取り除いてあげましょう。
毛が絡まって分厚いフェルト状の毛玉になってしまった場合は、無理に引っ張らず、病院などでバリカンを使って安全に刈り取る処置が必要になることもあります。
当院でも部分的なトリミングなどは行っているので、毛玉が出来てしまった場合や、グルーミングが難しい場合はご相談ください!
4. お家でできる毛球対策グッズ&サプリメント
ブラッシングに加えて、体内に入ってしまった毛のスムーズな排出を助けるためのケア用品も活用しましょう。
- 毛球予防・除去剤(ラキサトーンなど):ワセリンやグリセリンを成分としたペースト状のお薬です。ミネラルオイルは体内に吸収されないため、飲み込んだ毛を包み込んでウンチと一緒に排出させるのを助けます。自分でなめてくれない場合は注射器を使ってあげることもあります。
- 消化酵素のサプリメント:胃溶性・腸溶性の消化酵素を含んだサプリメントも有効です。毛玉のタンパク質をアミノ酸分子にまで分解し、胃内の毛玉をほぐしやすくする働きが期待できます。
- ※注意!甘いフルーツの罠:世間では「生のパイナップル(プロメライン酵素)やパパイヤが毛を溶かす」とよく言われますが、実際には被毛そのものを溶かすわけではありません。甘い果物の与えすぎは、ウサギが主食の牧草を食べなくなったり、肥満や肝リピドーシス、胃の機能障害を招く恐れがあるため注意が必要です。
- 運動と水分補給:たっぷり運動させることで消化管の動き(蠕動運動)が促進され、過剰な毛づくろい(グルーミング)の予防にも繋がります。また、しっかり水分(水和)をとらせることも胃のうっ滞予防には不可欠です。
食欲が落ちている、ウンチが小さい、ウンチに毛が数珠つなぎになって混ざっているといった症状は、お腹のトラブルを知らせる重要なサインです。日頃のブラッシングでスキンシップを図りながら皮膚や被毛の状態をしっかりチェックし、秋を元気に乗り切りましょう!




















