<注> レプトスピラ症の発生について
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、レプトスピラに感染したワンちゃんが報告されました。 3年前にも逗子市で発生しましたが、今回は藤沢市での発生です。 レプトスピラは細菌の一種で、感染すると「腎不全」「肝不全」を引き起こし致死率も高い病気です。 感染ルートとしては主にネズミの尿からと言われていますが、その他にもイノシシやネコからもうつることがあります。 また尿で汚染された土壌・水からもうつる可能性があります。 生活環境や散歩ルートにこれらの動物の尿との接触の危険性のあるエリアにお住まいの方は予防接種をうけることをお勧めします。 当院ではレプトスピラのみのワクチンも取り扱っておりますのでご希望の方はご相談ください。
猫が30歳まで生きる日 ~腎臓病の治療 AIM~
猫ちゃんの飼い主さんはご存知かもしれませんが、腎臓病の治療薬を開発されている宮崎徹先生の著書で「猫が30歳まで生きる日」という本があります。 先日、飼い主さんからお借りして読むことが出来ました。 宮崎先生の経歴、AIMとの出会い、AIMのメカニズム、腎臓病の治療などについて書かれています。 腎臓病のお薬が出来る!という話を聞いたことがあるかもしれませんが、まさにそのお薬の開発などについて詳しく書かれており、知らない情報もたくさん含まれていたのであっという間に読み終わりました。 知っていることもあれば知らないこともたくさんあったため、少しですが内容をまとめたいと思います。 猫はなぜ腎臓病になりやすいのか? 猫ちゃんの飼い主さんにとっては腎臓病は身近な病気かもしれませんが、実はワンちゃんや他の動物では多くはありません。 腎臓は血液中の老廃物を尿として体の外へと排泄してくれる働きがあります。 その際にデブリと呼ばれるゴミが腎臓の尿細管という場所に徐々にたまっていしまいます。 通常、尿細管にたまったゴミはAIMというタンパク質がくっつくことによってマクロファージという掃除屋に食べられて無くなっていき病気になることを防いでくれています。 AIMは血液の中にたくさん含まれており、普段はIgMという免疫グロブリンにくっついて存在しています。 腎臓に異常を察知するとAIMはIgMから離れ(活性型AIMとなり)腎臓へと向かっていくのですが、猫ではなぜかAIMがIgMから離れにくいことが分かりました。 その為、時間をかけ尿細管に少しずつゴミがたまり腎臓病へと進行していきやすくなるのです。 AIMによる腎臓病の治療 AIMによる腎臓病の治療は大きく分けて2つになります。 ① つまったゴミを急いで除去する方法 ② 少しづつゴミを除去して病気を予防する方法 つまったゴミを急いで除去する方法 こちらの方法が現在開発を行っているお薬による治療になります。 元気や食欲が落ちている子に対してAIMを投与してゴミを除去し、症状を改善させてあげる方法になります。 AIMを投与しても腎臓そのものの機能が回復するわけではないので、しばらくするとまたゴミがたまってしまうので定期的なAIMの投与が必要になります。 イメージとしては人工透析に近い治療です。 また、AIMはタンパク質であるため経口摂取することが出来ず治療は注射になります。 金額はまだわかりませんが、抗体医薬に分類されるお薬で大量生産することが難しいお薬の為、もしかすると少し高価になるかもしれません。 少しずつゴミを除去して病気を予防する方法 こちらはどちらかというと予防に近い方法です。 若いうちからAIMを活性化させることによって、少しずつたまるゴミを除去していき病気になりにくくする方法です。 イメージとしては、排水管にたまるゴミを定期的に掃除してあげる形になります。 現在は様々な方法でAIMをIgMから分離(活性化)できることが分かっています。 その中の一つとしてはマルカンさんが出している「AIM 30」というフード(一般食)や特定のアミノ酸があげられます。 AIM活性化成分配合のペットフードについて また2024年12月19日にAIMを活性化する成分が配合された、早期の腎臓病(IRIS ステージ1 or 2)用の療法食も発売されました。 当院でも取り扱いがございますので、試してみたい方はご連絡ください。 2025年2月の状況 2月1日より「I AM CAT」というサイトが立ち上がり、本格的に治験が動き始めました。 何か動向がありましたらまた報告させていただきます。
2025.02.14 AIM, LINE, ペットクリニック, 動物病院, 救急, 横須賀, 求人, 腎不全, 腎臓病, 葉山, 逗子
アトピー性皮膚炎と腸活(腸内細菌)
アトピー性皮膚炎とは アトピー性皮膚炎とは遺伝が関与している病気の一つで、環境中のアレルゲンに対して反応する皮膚炎です。 特徴としては3歳以下で発症することが多く、また病変部分に特徴があります(主に毛が薄い部分に発症)。 確実な診断方法はないですが、いくつかの診断基準を満たし、また感染症の除外が出来れば「アトピー性皮膚炎」と診断します。 アトピーと腸活 先日、「アトピー性皮膚炎と腸内細菌」についてのセミナーがありました。 以前より「腸活」は様々な病気に対して有効と言われていましたが、メカニズムを含めて勉強になりました。 セミナーの要点としては、 健康な子の便を移植したらアトピーが改善された アトピーに有効な乳酸菌の種類がある 乳酸菌を増やすオリゴ糖を一緒に摂取する が主な内容でした。 短期間で効果が実感できる子もいれば1年近くかかることもいますがうまくいけばステロイドなどのお薬を減量することや休薬することも可能になります。 学術情報 – カワノメソッド 人の腸内細菌の専門家のなかには「便は茶色いダイヤモンド」だと言っている方もいます。 RESEARCH – AuB株式会社 腸内細菌はいろいろと研究が進み、アトピー性皮膚炎以外にも「腎臓病」や「便秘」などにも有効で、副作用もなく治療ができる為、悩んでいる子がいましたらご相談ください。
2025.01.10 アトピー, ペットクリニック, 動物病院, 夜間, 救急, 横須賀, 痒み, 皮膚炎, 皮膚病, 秋谷, 葉山, 逗子
年末年始のご挨拶
本日12/30(月)で本年の通常診療は終了となります。 毎年恒例ですが、スタッフ全員でお昼を食べて最後にお掃除をして今年のお仕事はおしまいになります。 ダスキンさんにも清掃していただき床がピカピカになりました。 12/31(火)~1/3(金)までは診察をお休みさせていただきます。 休診中の救急対応は、近隣の救急病院さんの方へご連絡ください。 救急病院はこちら 当院でも可能な範囲は救急診療を行いますが、外出中などですぐにご連絡できないこともあります。 LINEのチャット機能は年末年始の期間内は24時間解放してありますので、急ぎではない方はLINEにてご連絡ください。 ※はじめてのお問い合わせの際は、飼い主様とペットのお名前を忘れずにお伝え下さい。 2025年の診療は1/4(土)9:00より行います。 年末年始、ペットの子たちも飼い主さんも体調を崩さず過ごせるようお祈り申し上げます。 2025年も今まで以上により良い医療を行えるようスタッフ全員精進していきたいと思います。 葉山一色ペットクリニック スタッフ一同