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2024.6.14 五苓散(ごれいさん)
『五苓散(ごれいさん)』 「水」に関する身体の不調を改善する漢方薬です 【組成生薬】 沢瀉・茯苓・猪苓・蒼朮・経皮 獣医療では脊椎疾患・前庭疾患・てんかん急性胃腸炎気象病(気圧の変化で不調になる)熱中症・車酔い などで使用します 五苓散は昔から水毒(身体の水が滞った状態)の改善に 有効とされていましたが近年このメカニズムが細胞膜にあるアクアポリンというタンパク質が関与している事が 科学的に明らかになりました 漢方薬はその子の体質・症状によって合うものを処方するので西洋薬のように「この病気だからこの薬!」という処方の仕方ではありません 五苓散はその子の体力(実証・虚証)に関わらず使用できます 他の漢方薬と併用する場合は中医学診療をしている獣医師にご相談下さい 水分調節に関する漢方薬はほかにも沢山あるのでその子の体質に合うものを選ぶことが大切です 漢方相談も承っています(副院長の奈須のみ)漢方薬に在庫がない場合は取り寄せになるので お時間を頂くこともあります ご了承下さい
2024.06.14
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2024.6.10 鍼灸治療症例
【王子ちゃんの鍼灸タイム】 湿対策していますか? 本格的な梅雨、暑さになる前に身体のケアは出来ていますか? 春から気温の上昇とともに肝の気も上がって上半身の症状が出ている子が増えています 例えば…… ・結膜炎(眼の充血)・涙やけ・耳の匂いが気になる(外耳炎)・すぐにハァハァ興奮する(キレやすい)・口の匂いが酷くなる 肝の気が溜まりすぎると熱を持ち、酷くなると風をもちます(癲癇や痙攣、前庭疾患など) そこにきて湿が身体に入ってくると更に巡りが悪くなり身体へ様々な不調をきたします 肝の気の部分に関してはうちの子に当てはまるー!と多いと思われる方も多いかと思います しっかり気を巡らせてケアをする事で梅雨〜夏の季節も大きく体調を崩さず乗り切れますよ 王子ちゃんは後肢の弱りから定期的に鍼灸治療に来てくれていますが鍼灸の全身治療とお母さんの薬膳、マコモで後肢の弱りだけでなく目や耳の不調やお腹の調子も絶好調 西洋医学は悪い所だけを治す治療ですが東洋医学は身体のバランスを整えるので結果、よりQOLが上がりますどちらもいいとこ取りで取り入れていきたいですね 気になる症状があればお気軽にご相談下さい 鍼灸治療は完全予約制で平日のお昼(12時〜15時)に行っています漢方、薬膳(ご飯)のご相談も受けています日程はご相談下さい
2024.06.10
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2024.6.2 梅雨〜夏の薬膳②
【梅雨〜夏の薬膳②】 《おすすめの食材は一例です身体に合うものをローテーションしながら トッピングや手作りご飯を楽しんで下さいね》 はとむぎ(薏苡仁 ヨクイニン) 効果効能清熱排膿:湿疹などの皮膚炎利尿消腫:むくみ、イボやしこり、尿石症健脾:胃腸機能のサポート(消化促進) はとむぎはからだの水分排出+胃腸機能のサポートもしてくれる薬膳食材のボス的存在(私調べ)漢方薬ではヨクイニン(薏苡仁・利水滲出薬)としても有名です 昔から民間療法として身近でしたが近年、はとむぎ特有の成分 コイクセノライドの抗炎症作用・抗腫瘍活性 角質細胞の代謝促進・抗アレルギー作用に対して 科学的な研究が進んでいます 【ワンコにはとむぎを与える際の注意点】 利尿作用はそもそも水分摂取量が不足している子には あまり効果が出ません ドライフードを食べている子は水分不足気味な子が多いので必要な水分をしっかり摂取して巡らせ流していくのが大切です お家で生はとむぎからはとむぎ(薏苡仁)を作ってみましょう!(煮汁も大事なので捨てずに一緒にあげましょう) ポン菓子のようなはとむぎもよく見かけますが 利尿効果はイマイチ……です (薬膳的には炒ったはとむぎは留める効果があり 下痢の時に良いとされています) 生薬の薏苡仁は煎じ薬の様に煮出した(煮込んだ)物で しっかり効果効能が出ます ムーのご飯にもはと麦よく入れてまーす オススメの食材でご飯を作ったら是非教えてくださいね!
2024.06.02
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2024.5.10 鍼灸治療症例
【ミルちゃんの鍼灸タイム】 百会灸で脳健髄鍼灸とマッサージでリラックス終わった後にはみんな大好きマコモクッキー! 「クッキー美味しいね!」 てんかん(癲癇)は、 脳の異常な興奮が身体のけいれんや意識障害などの症状を 引き起こしてしまう疾患で若い子からシニアの子までみられる疾患です 西洋医学では発作を抑える内服薬による治療がメインであり、 まだ解明されていない点も多くあります 東洋医学では心肝の気と脾に関連していると考えます 季節的には肝気が高ぶる春先に多くみられる傾向があり、気圧変化との関連性も重要でこれからの気圧差の激しい時期は要注意です 鍼灸治療や体質に合った食事管理・漢方薬で薬の量を抑えたり、発作の頻度を減らす事も出来ます 「補腎!は大事!!」 病気があっても快適なシニアライフを送れるように 東洋医学も治療に取り入れてみませんか? 気になる症状があればお気軽にご相談下さい 鍼灸治療は完全予約制で平日のお昼(12時〜15時)に行っています日程はご相談下さい
2024.05.10
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2024.5.7 梅雨〜夏の薬膳①
【梅雨〜夏の薬膳①】 暦の上では5/5立夏(りっか)から夏になります(立秋まで) 梅雨から夏は湿度も温度も急上昇!湿(ジメジメ)は体にとって【湿邪しつじゃ】となり悪影響を及ぼします(外邪のひとつ) 梅雨の長雨、更に海の近くは湿度高めです(すでに病院は除湿機稼働中) 【湿邪の特徴】 ・陽気を傷つけ、気の流れを阻害することで →冷えやめまい、食欲不振を引き起こす ・重濁性がある →体の重だるい感じ、浮腫、皮膚炎の悪化などを 引き起こす ・粘滞性がある →下痢や皮膚炎などの慢性化・長期化がみられる 【梅雨〜夏の食養生】補益健脾作用のあるもの(米、とうもろこし、長芋、じゃがいも、かぼちゃ) 利湿去湿作用のあるもの(はと麦、冬瓜、とうもろこしのヒゲ、小豆、セロリ、きゅうり、緑豆、豆腐) 《おすすめの食材は一例です身体に合うものをローテーションしながらトッピングご飯を楽しんで下さいね》 次は具体的におすすめの食材をあげていきますよー オススメの食材でご飯を作ったら是非教えてくださいね
2024.05.07
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2024.4.14 春の薬膳④
《おすすめの食材は一例です 身体に合うものをローテーションしながら トッピングご飯を楽しんで下さいね》 【春キャベツ】はこんな子にオススメ・お腹の調子が悪い(食欲不振・消化不良)・気の巡りが悪い、むくんでいる・元気がない キャベツはトッピングや手作りご飯に使いやすい食材の1つで使われている方も多いのではないでしょうか? 春キャベツは他の季節のものと比べると柔らかく甘みもあり水分量も多く栄養素も高くなっています 旬の素材はその時期の体調を整えるのにも効果的です 身体にいいとされる食材でも「そればっかり」だとその食材のメリットが充分に活かせないことも。調理法にも注意して上手にルーティンして旬の素材を取り入れていきましょう! 【ムーの薬膳トッピングご飯】春にちなんだミモザ風サラダ風トッピング 卵・はと麦・春キャベツ・亜麻仁油 オススメの食材でご飯を作ったら是非教えてくださいね!
2024.04.14
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2024.4.9 牛車腎気丸
獣医領域でよく使用する漢方薬シリーズ 『牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)』 腰や下肢の脱力・冷え・しびれ排尿障害などの症状を改善する漢方薬 【組成生薬】 地黄・山薬・山茱萸・沢瀉・茯苓・牡丹皮・桂皮・附子・牛膝・車前子 【こんな症例に使用します】・腰痛・下肢痛・しびれや脱力感・排尿困難・頻尿・むくみ など (人では)前立腺肥大症に対する頻尿に高い治療効果が認められていますまた、糖尿病性神経障害や抗がん剤の副作用に対しても有用性のエビデンスが集積されています 漢方薬はその子の体質に合うものを服用することが大切です他の漢方薬やサプリと併用する場合は(中)獣医師にご相談下さい ★漢方相談も承っています(副院長の奈須のみ)漢方薬に在庫がない場合は取り寄せになるので お時間を頂くこともありますご了承下さい
2024.04.09
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2024.2.6 獣医療でよく使用する漢方薬 六君子湯
『六君子湯』 上部消化管の運動を改善し胃の不快感や痛み、嘔吐、食欲不振などの症状を改善する漢方薬 【組成生薬】 人参・蒼朮・茯苓・甘草・大棗・生姜半夏・陳皮 【こんな症例に使用します】・食欲不振・冷えによる胃腸障害・吐き気・抗がん剤の副作用軽減・気管虚脱 など 胃腸障害以外にも気を補って気逆を防ぎ下に流す作用があるのでシニアの咳や気管虚脱にも処方します (人では)機能性ディスペプシアの治療薬としてガイドラインに掲載されていたり抗がん剤の副作用軽減にも処方されています 消化器症状に関する漢方薬は沢山あるのでその子の体質にあったお薬を服用しましょう ★漢方相談も承っています(副院長の奈須のみ)漢方薬に在庫がない場合は取り寄せになるのでお時間を頂くこともありますご了承下さい ★鍼灸治療は 平日のお昼時間12時〜 完全予約制です 電話または受付にてご予約をお願いしています 当院の患者様でない方に対しての 漢方薬のみの処方 マコモクッキーやマコラージェ、ULTIMOなど 獣医中医薬学院監修のサプリメントやおやつの販売・発送はしていません (今後もする予定はありません) ご了承下さい
2024.02.06
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2024.2.2 鍼灸治療症例
【Babyちゃんの鍼灸タイム】 以前は慢性的な下痢で長期間、抗生物質や下痢止めを服用していましたが身体に合う漢方薬をはじめて抗生物質と下痢止めをやめることが出来ました 東洋医学ではお腹の不調は脾胃の弱り 脾は気血水(身体を構成する物質)の製造場所なので全ての不調に繋がると考えます ここ最近、下痢をはじめとする胃腸系の不調を訴える子が増えています ・ご飯やおやつの食べ過ぎ・ストレス・冷え・季節の変わり目や気圧の変化による体調の変化・他の疾患に起因する下痢など 原因は様々ですが 急性、慢性の胃腸疾患においても 漢方薬(薬膳)による体質改善+鍼灸治療により 自己治癒力・免疫力を向上させ普段飲んでいるお薬を減らしたり症状を改善する事が期待できます 季節の変わり目は身体のバランスが崩れやすいので東洋医学で整えてあげるのがおすすめです 気になる症状があればご相談下さい 鍼灸治療は完全予約制で平日のお昼(12時〜15時)に行っています
2024.02.02
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2024.2.1 おうちケア お灸にチャレンジ②
【おうちケア お灸にチャレンジ②】 ・お家でやってみよう!棒灸 棒灸そのままでも使用出来ますが棒灸ホルダーと赤いタオル(手ぬぐい)があると便利! ホルダーを使えばでマッサージ効果もあるし、火傷の心配も減ります お灸の匂いと温熱効果により副交感神経が亢進しリラックス効果も得られます (勿論飼主さんも) お家で煙や匂いが気になる場合は無煙灸(炭化した艾を使用)もありますよ ・お家でやってみよう!小竹さん 私の通っている学校オススメの小竹式温灸器、小竹さん小さいので細かい場所やお腹を温めやすく使いやすい!大きな大竹さんもあります!! お灸は焦ってしなきゃ〜とするのではなくゆっくりおうちの子と向き合える時間がある時にのんびりやるのがおすすめですその子の、飼主さんのペースで大丈夫 詳しい使い方、その子に合わせた温め方は鍼灸治療でもお伝えしています 春に備えて補腎・温活を一緒にしていきましょう 鍼灸治療は完全予約制で平日のお昼(12時〜15時)に行っています日程はご相談下さい
2024.02.01