2021.5.6 フィラリア予防はいつから??
暖かくなってきて、ノミ・ダニやフィラリアなどが気になる季節になってきました フィラリア症という病気はご存知ですか? フィラリアは、線虫という寄生虫の1つで心臓や血管に寄生し心不全などを引き起こす原因となります pic.の通り、フィラリアは蚊から感染しますが 「蚊がいる=感染する」ではありません 蚊の体内でミクロフィラリア(mf)が成長し、感染力を持つL3に成長するためには一定の気温が続く必要があります(平均気温などから感染期間を推測する方法/詳細はHDUで検索!!) 暖かい日が続き、蚊からフィラリアに感染すると、 ワンちゃん(猫ちゃんも)の体内でフィラリアがどんどん成長し、感染から90日ほどで成虫となり血管(肺動脈)や心臓に到達し症状を表します そうなってしまう前にお薬を使って予防する必要があります ○フィラリアのお薬は予防薬ではなく、駆虫薬です 厳密には、「mf」「L3」「L4」に効果のある駆虫薬です。 投薬したときに体内にいるフィラリアを駆虫することによってフィラリア症の予防を行っています✨ ○いつからいつまでお薬を使う必要があるのでしょうか? 「L5」に成長する前にお薬を使ってあげる必要がでてきます 体内に感染した「L3」が「L5」に成長するのは、感染から最短でも50日かかるので、50日以上投薬の間隔があいてしまうと感染を防ぐことが出来なくなってしまう可能性があります 投薬忘れなどによる感染を防ぐ目的で、フィラリアのお薬は1か月ごとに投薬するのが一般的です(万が一、数日過ぎてしまっても猶予があるように) かつ、「L3」「L4」の段階で駆虫する必要がある為、投薬期間としては「フィラリア感染開始1か月後~感染終了1か月後」までとなります 神奈川県は(エリアによっても多少違いあり)、毎年5月初旬に感染が始まり11月初旬まで感染が続くため、「6月初旬~12月初旬の計7か月」予防する必要があります ○お薬を開始する際は、フィラリアに感染していないことを確かめてから投薬を行います 万が一フィラリアに感染している子にお薬を使うと、ショック症状を起こし、最悪の場合死に至ることもあります 安全にお薬を使うために、必ず検査を行ってから投薬するようにしましょうね
2021.05.06
2021.4.28 GWの診療時間について
4/29(祝日) 9:00〜13:00 4/30(金)〜5/1(土) 通常診療 5/2(日)〜5/4(祝日) 9:00〜13:00 5/5(水) 休診日 日曜&祝日は午前診療です ホームページからネット予約も出来るようになりましたので是非ご活用下さい
2021.04.29
2021.4.13 ワンちゃんの痛みに気付いてますか?
獣医療の発展によりシニア犬が増加し、運動器疾患(関節炎など)に罹患して慢性的な痛みを感じているワンちゃんの割合が増加しています 運動器疾患に罹患しているワンちゃんは健康寿命が短縮することがわかっています 小型犬に比べると大型犬のシニア犬(10歳〜)は運動器疾患の発生率が高い!! 運動器疾患の罹患率が高い犬種は特に要チェックです 運動器疾患による痛み(動物のいたみ研究会HPより)を見抜くポイント 健康寿命を伸ばすために、検診を定期的に受診し発症予防・早期にエクササイズやサプリメントをSTARTする事をおすすめしています 気になる事があればお気軽にご相談下さいね ホームページから診察のネット予約も出来るようになりましたのでご利用下さい
2021.04.13
2021.4.1 春の健診キャンペーンSTARTしました!
4/1〜5/31 春の健康診断キャンペーンを行います フィラリアの抗原検査と一緒に健診をオススメしています シニア期のワンちゃんネコちゃんは半年に1度、若い子は1年に1度の健診で健康チェックをしましょう 混合ワクチン接種の抗体検査も一緒に行えます(外注検査になるので後日の結果報告になります) フィラリアのお薬のまとめ割もあります ネット予約も出来るようになりましたので是非ご活用下さい
2021.04.01
ケイレン発作 (てんかん・脳炎・脳腫瘍など)
突然意識を失い、手足をつっぱったり、バタバタさせたりすると真っ先に「てんかん」を疑うと思います。 てんかんとは、「種々の病因に起因する慢性の脳疾患であり、大脳神経細胞の過剰な発射に由来する反復性の発作を主徴とし、変化に富んだ臨床・検査所見の表出を伴う」とあります。 つまり2回以上発作が起きて初めて「てんかん」となります。 てんかんの分類は病因や発作の型で分類されます。 「素因性てんかん」は、皆さんが想像するてんかんです。 脳やその他に明らかな異常を伴わない発作で、根本治療は出来ませんが、お薬を使って発作を起きにくくします。 素因性てんかんの中には難治性てんかんといってお薬に反応しにくいものもあります。 通常1種類のお薬から始めますが、発作が収まらなければ作用の異なるお薬を追加する場合もあります。 「構造的てんかん」は、脳やその他の部位に異常がありそれが原因で起こる発作をいいます。 一般的には、初回の発作が5歳以上で認められる場合は構造的てんかんが多いと言われています。 また、猫は年齢を問わず構造的てんかんが多いです。 構造的てんかんの原因は、脳炎・脳腫瘍・脳血管障害などの頭蓋内疾患の他に、内臓疾患や内分泌疾患・感染症などの頭蓋外疾患によるものも認められます。 頭蓋内疾患の有無はMRI検査などが必要となり、検査も簡単ではありません。 診療の際はまず身体検査・血液検査を実施し、頭蓋外に異常がないかを確認します。 異常が認められなければ、次のステップはMRI検査などを行い脳病変の有無をチェックしていきます。 ここ1年間ほどで5歳以上で初発の発作が起きた子を数例診る機会があり、どの子もMRI検査を行ったのですが、1件は脳腫瘍疑いでした。 ただし、5歳以下でも犬種によっては脳炎や脳障害が多い犬種もいるため、注意が必要です。 てんかんは基本的には生涯の治療が必要になる事が多く、お薬を切ることが出来る子はまれと言われています。 お薬を切る際も、6か月以上かけてゆっくりと量を減らしていきます。 しばらく落ち着いてるからと、飼い主さん判断でお薬をやめてしまったりすると症状の再発をすることがあるため自己判断でお薬を止めるのは避けるようにしましょう。 おうちで発作が起きた時は慌てずに、 ① 状況の把握(できればムービー撮影) ② けがをしないように配慮(頭をがんがんぶつけたりしないよう) ③ なるべく動かさない ④ 時間を計測(どのぐらいの時間発作が起きているかが重要) をこころがけましょう。 ふいに顔に手を近づけると、物凄い強い力で噛まれてしまう可能性もあるため気をつけましょう。 当院ではMRI検査が必要な際は提携病院へご紹介させていただきます。 何かあればご相談いただければと思います。
2021.03.10
シャンプーの仕方見直しましょう!
皮膚トラブルの予防&改善の為にシャンプー療法はとっても大切ですご自宅での効果的なシャンプーの仕方を簡単にご紹介します ①埃や花粉が気になるこの季節 シャンプー前にはブラッシングで汚れを落とします ②体全体をぬるま湯で濡らします お湯の温度は35℃が目安冬場で寒い場合は少し温度を上げ たり室温を上げたりしましょう ③シャンプー剤は泡立てネットなどできめ細かい泡を作ります 泡を優しく体に載せ皮膚や被毛に付着させ、ヌメヌメとした感触が消えるまで洗い流しましょう ④シャンプー後の乾燥した皮膚に水分を補充するために保湿剤の使用をオススメします (保湿剤はローション、スプレー等様々なタイプがあります。場所やその子の皮膚の状態に合わせて使用しましょう) ⑤タオルドライをしっかりし、ドライヤーとブラシを用いて乾かします。フワフワになりました〜 頑張ったね シャンプー後に赤くなったり痒くなる、フケが増える等のトラブルがある場合はシャンプーがあってない、または方法が間違っている可能性があるのでご相談下さいね
2021.02.26
短頭種気道症候群 (外鼻孔狭窄)
人気が高く飼われている方も多いフレンチ・ブルドッグ お鼻がペチャなのが特徴で見た目も愛らしくてとても好きな犬種ですが、何といっても多いのが短頭種気道症候群です。 短頭種気道症候群は、 ① 外鼻孔狭窄 ② 軟口蓋過長症 ③ 喉頭小のうの外反 ④ 声門裂の狭窄 ⑤ 喉頭・期間虚脱 などの異常を単一もしくは複合して発症します。 どれも基本的には外科疾患ですが、中にはリスクを伴う手術もあります。 この子は外鼻孔狭窄が認められました。 鼻の穴が塞がっているのが分かると思います。 去勢手術を実施する際に同時に外鼻孔拡張術を実施しました。 鼻の穴が広がり呼吸がだいぶ楽になりました。 外鼻孔狭窄は身体検査で見つけることが可能ですが、そのほかの病気はレントゲンや内視鏡などの検査が必要になります。 呼吸器科の専門病院をご紹介させていただく場合もあります。 短頭種の子は呼吸が苦手で、夏場は特に熱中症のリスクが上昇します。 呼吸が苦しそうだったり、常に鼻がつまっているような様子がある場合は早めに診察されることをオススメします。
2021.02.17
糖尿病の治療・管理 持続型血糖値測定器(フリースタイルリブレ)
ワンちゃんもネコちゃんも糖尿病の初期の頃やケトアシドーシスの際の血糖値の測定は頻繁に行わなければならず、負担になるものでした。 痛みやストレスなどで病院が嫌いになる子も多く、また通院回数も増えるため飼い主さんの負担も少なくありませんでした。 最近は血糖値の管理を行う際に、機械を体に装着すれば毎回採血を行わなくても持続的に血糖値が測れるものがある為、頻回に検査が必要な場合は使用する機会が増えてきました。 動物用ではなくヒト用のため少し大きいのと毛刈りは必要になってしまいますが、一度装着すれば最長14日間血糖値の測定が行えます。 右の機械が読み込み装置 真ん中が体につける装置で、左がそれを装着するための機械です 動きが激しい子は途中で機械がずれてしまい測れなくなってしまう事もありますが、今のところ使用期限に近いぐらいまでは測れています。 装着の様子 この上から洋服を着せたり、テーピングをして動かない様に固定します。 おうちでは、読み込み用の機械を近づけるだけで血糖値の測定が行えます。 病院でもケトアシドーシスの入院中の管理で使用することも出来るため、夜間の血糖値管理もだいぶ楽に行えるようになりました。 一番の課題は価格と、ずれないようにすることですが、どちらもなかなか難しいです。 今のところリブレの設置と読み込み機械の貸し出しで10000円(税別)で行っておりますが、動きが激し子は数日で外れてしまう事もあります。 動きに左右されにくいところへの設置やテーピングなどで対応していますが、設置中はなるべく激しい運動は控えて頂くことをオススメします。 写真の子は様々なインスリンを試しましたが、血糖値が安定するものがなかなか見つかりませんでした。 ① プロジンク(犬猫専用のインスリン製剤) ② ランタス(インスリングラルギン) ③ レベミル(インスリンデテミル) ④ トレシーバ(インスリンデグルデク) ⑤ ヒューマリンN(NPH) 計5種類ほど試しましたが、10単位ほど使用しても血糖値が安定しませんでした。 ホルモン検査などのインスリン抵抗因子の検査もすべて行いましたが、何も異常はみつかりませんでした。 現在は合うインスリンが見つかり、少し多いですが4単位で血糖値が落ち着いています。 糖尿病は安定してしまえば頻回に検査を行う必要は無いですが、治療の初期や容量の変更時などは頻回に採血をする必要があるため、この機械のおかげで管理もしやすくなりましたし、自宅での血糖値の管理も容易に行えるようになりました。 使う機会が少ない方が良いですが、血糖値が安定しなかったりインスリンの変更を行う際にはご相談いただければと思います。
2021.02.10
モルモットの結石症
モルモットの尿石症は泌尿器疾患の中でも多く見られる病気です。 尿結石は、膀胱以外にも尿道・尿管・腎臓などに発生します。 尿石症の原因としては、 ① 遺伝 ② 代謝異常 ③ 栄養バランスの不均衡 ④ 飲水量不足 ⑤ 細菌感染 などが考えられています。 栄養面だと、カルシウム含有が多い食事(アルファルファ)やビタミンDの過剰摂取が原因と言われております。 雌雄差はないとの報告がありますが、男の子は尿道が狭いため結石がつまるリスクは高いため注意が必要です。 診断は基本的にはレントゲン検査になります。 別の子です 二人とも尿道内に結石が認められます。 写真の子は二人とも女の子で幸いにも結石は自然排泄されましたが、結石が膀胱の中にある場合や男の子の場合は尿道閉塞するリスクがあるため手術をする必要があります。 結石が無くなった後も食事管理や生活環境の改善を行い再発の予防が必要です。 モルモットの結石はカルシウムが主成分であることが多いため、牧草はカルシウムが少ないイネ科のものを与えることが推奨されています。 水分摂取を増やすため注射器でお水を飲ませるのも一つの方法です。 ただ、それでも完全に予防することは難しいと言われていますので、結石症になったことがある子は定期的に尿検査やレントゲン検査を行いましょう。
2021.02.03
うさぎの血尿(子宮疾患)
うさぎさんの血尿はいろいろな原因が考えられます。 そもそも血尿ではなく、色素尿と言って食べ物中の色素が尿に混ざり血尿のように見えてしまう事もあります。 ではどうやって血尿なのか色素尿なのか見分けるかというと、、、 オシッコ検査をするしかないです。 血尿であれば潜血反応が出ますが、色素尿では出ません。 なので、おうちで赤色やオレンジ色のオシッコが出た場合は、病院でオシッコ検査をしましょう。 おうちで採尿が難しければ、溜まっていれば病院で採尿することが出来ますので、ご相談ください。 では、血尿だった場合は何の病気が考えられるかというと、 ① 膀胱炎 ② 膀胱結石・尿道結石 ③ 腎結石・尿管結石 ④ 膀胱腫瘍 ⑤ 子宮疾患 などが考えられます。 病気を絞り込むため、オシッコ検査やレントゲン検査・エコー検査を行い確定していきます。 特に女の子は子宮疾患が多いので注意が必要です。 種類によっては4歳を超えると50~80%の子が子宮腺癌(悪性腫瘍)になるとも言われています。 また、2歳を超えると子宮に何らかの異常所見が認められることが多いとも言われています。 先日、ネザーランドドワーフの女の子が血尿を主訴に来院されました。 年齢は2歳になっていない子です。 オシッコ検査やレントゲン検査をしましたが、結石や明らかな感染なども認められませんでした。 エコーでは子宮も明らかな異常は見つけられませんでした。 年齢的には子宮疾患の可能性は高くはないのですが、血尿が強く出ていたため飼い主さんとも相談した結果、避妊手術を実施することになりました。 手術中の様子です。 手前側の子宮が腫れており、中に液体が貯留している様子がわかります。 卵巣や反対側の子宮には肉眼的な異常は認められませんでした。 術後の様子 糸で縫うとかじってしまう事が多いので、ステープラーというホッチキスみたいなもので傷口をふさぎます。 左側のおしりのあたりから血が出ているのが分かると思います。 この子のように、2歳未満の若齢の子でも子宮疾患になる事があるので、女の子のうさぎさんは出来れば1歳ぐらいまでに避妊手術を行うことをオススメしています。 もちろん麻酔のリスクもゼロではないですが、病気になるリスクもあるため、どちらが良いか考えて判断しましょう。
2021.01.30