胆嚢粘液膿腫は中高齢の犬に発生が多い病気の一つで、胆嚢内に粘液が充満することによって黄疸や胆嚢炎、胆道系の壊死などを引き起こす病気です。

 

現在のところ、明らかな原因は不明とされていますが、基礎疾患として甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症が関与していると報告されています。

高脂血症などもリスク要因の一つになります。

進行すると腹痛や嘔吐などの強い症状を伴いますが、初期は症状に乏しいため早期発見のためには画像検査が必要となってきます。

 

 

胆嚢内に粘液用物質が貯留している状態

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胆嚢粘液膿腫に対する治療は主に内科治療と外科治療に分かれますが、内科治療に関する有効性は不明な点が多いため、症状が認められれば外科的に胆嚢を摘出します。

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奥に白く見えているのが胆嚢です。

 

黄疸や胆嚢破裂を伴っている場合、手術のリスクも格段に高くなります。

初期であれば内科療法により改善する例もあるため、中高齢以上のワンちゃんは定期的に画像検査を行うことをオススメします。

 

院長 奈須俊介

葉山一色ペットクリニック