レプトスピラ症についての最新情報 20250219
先日、藤沢市でレプトスピラ症の発生があったとお知らせしましたが、その関係もありレプトスピラ症についてのセミナーが実施されました。
簡単ですが、おさらいを兼ねてまとめようと思います。
レプトスピラ症について
レプトスピラは螺旋菌という細菌の一種で、淡水や湿った土壌中で数か月存在すると言われています。
レプトスピラにはおよそ250以上の血清型がありますが、その中でも犬で問題になるのは8~10の血清型と言われています。
レプトスピラのうちの7種は届け出伝染病に指定されており、確定もしくは症状が疑われれば届け出が必要な病気です。
また、レプトスピラは人獣共通感染症でもあり、発熱・悪寒・筋肉痛・結膜充血などの症状が見られ、重症化すると黄疸・出血傾向などが見られます。(重症型は「ワイル病」と呼ばれます)
レプトスピラの症状
急性の症状(潜伏期間 約7日間)
- 腎障害
- 肝障害
- ブドウ膜炎
- 肺出血症候群
初期症状は発熱や食欲不振が多いためレプトスピラと診断することが難しい場合があります。
また、軽度の感染の場合は無症状のこともあり、この場合は保菌動物になります。
レプトスピラの感染経路
- 汚染された水・土壌に直接もしくは間接的に接触(経口感染)
- 粘膜やケガをした皮膚からの感染(経皮感染)
- レプトスピラは環境中で数か月生存
- 保菌動物はネズミ・アライグマ・犬・猫がメイン
外へ出入りしている猫の3.3%がレプトスピラ陽性(保菌)との報告があります。
野良猫が多い地域の人も注意が必要です。
レプトスピラ症の治療
- 基本的には抗生物質の投与で治療を行います
- 急性腎不全を起こしている場合は透析療法を考慮(専門病院にて)
- 生存率は50~80%
治療後も慢性腎臓病へ移行する可能性があります
- レプトスピラは一般的な消毒薬で殺菌可能です
治療が遅れると急性腎臓病・肝不全を引き起こし命の危険性がある病気です。
レプトスピラ症の予防・ワクチンについて
ワクチンは血清型が合わないと効果を示さないため、4種すべて予防しているからといって安心することはできません。
先ほどもお話しした通り、犬で問題を起こすのは8~10種のレプトスピラと言われています。
そのため、ワクチンを打っていたとしても水場や湿った土壌、大雨の後などの散歩時には注意しましょう。
国内における犬のレプトスピラ発生状況
これに加え、2025年1月に藤沢市でレプトスピラ症の発生が報告されました。
まとめ
- レプトスピラに感染するリスクが高い子はワクチン接種を行いましょう
- 感染源は主にネズミ・アライグマ・犬・猫
- 感染経路は汚染された水・土壌からの経口感染、経皮感染
- ワクチンを接種していても水場や大雨のあとの散歩には注意しましょう
- エリアごとの状況はかかりつけの病院へお問い合わせ下さい