うさぎの血尿(子宮疾患)
うさぎさんの血尿はいろいろな原因が考えられます。
そもそも血尿ではなく、色素尿と言って食べ物中の色素が尿に混ざり血尿のように見えてしまう事もあります。
ではどうやって血尿なのか色素尿なのか見分けるかというと、、、
オシッコ検査をするしかないです。
血尿であれば潜血反応が出ますが、色素尿では出ません。
なので、おうちで赤色やオレンジ色のオシッコが出た場合は、病院でオシッコ検査をしましょう。
おうちで採尿が難しければ、溜まっていれば病院で採尿することが出来ますので、ご相談ください。
では、血尿だった場合は何の病気が考えられるかというと、
① 膀胱炎
② 膀胱結石・尿道結石
③ 腎結石・尿管結石
④ 膀胱腫瘍
⑤ 子宮疾患
などが考えられます。
病気を絞り込むため、オシッコ検査やレントゲン検査・エコー検査を行い確定していきます。
特に女の子は子宮疾患が多いので注意が必要です。
種類によっては4歳を超えると50~80%の子が子宮腺癌(悪性腫瘍)になるとも言われています。
また、2歳を超えると子宮に何らかの異常所見が認められることが多いとも言われています。
先日、ネザーランドドワーフの女の子が血尿を主訴に来院されました。
年齢は2歳になっていない子です。
オシッコ検査やレントゲン検査をしましたが、結石や明らかな感染なども認められませんでした。
エコーでは子宮も明らかな異常は見つけられませんでした。
年齢的には子宮疾患の可能性は高くはないのですが、血尿が強く出ていたため飼い主さんとも相談した結果、避妊手術を実施することになりました。
手術中の様子です。
手前側の子宮が腫れており、中に液体が貯留している様子がわかります。
卵巣や反対側の子宮には肉眼的な異常は認められませんでした。
術後の様子
糸で縫うとかじってしまう事が多いので、ステープラーというホッチキスみたいなもので傷口をふさぎます。
左側のおしりのあたりから血が出ているのが分かると思います。
この子のように、2歳未満の若齢の子でも子宮疾患になる事があるので、女の子のうさぎさんは出来れば1歳ぐらいまでに避妊手術を行うことをオススメしています。
もちろん麻酔のリスクもゼロではないですが、病気になるリスクもあるため、どちらが良いか考えて判断しましょう。