病院ブログ

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    潜在精巣に伴う精巣腫瘍・精巣捻転

    潜在精巣とは、精巣が陰嚢内に下降せずに腹腔内や皮下に留まってしまう状態をいいます。 精巣下降は生後30日頃より始まり遅いと60日以上を要することもあります。 一般的には、生後4~5か月を過ぎても陰嚢内に精巣が触知できない場合は潜在精巣を疑うことが出来ます。   潜在精巣の発生は猫では珍しく、犬では2%程度の確率で認められます。   高齢犬の潜在精巣では、腫瘍の発生率が10%以上と言われており、貧血や転移を起こすものもあります。 また、腹腔内の潜在精巣では精巣捻転を起こすことも多く、急性腹痛や全身状態の急激な悪化をおこす危険性があります。   治療は開腹を行い精巣を摘出しますが、腫瘍が疑われる場合はリンパ節などに転移していないかの確認も必要になってきます。   この症例は大型犬で両側性の腹腔内潜在精巣の子ですが、突然元気がなくなり来院しました。 レントゲンや超音波検査を行うとお腹の中に巨大な腫瘤が認められたため、精巣腫瘍を疑い手術を行いました。   お腹を開けてみると精巣の捻転が認められ、精巣の顕著な腫れが起こっていました。   出血しない様に糸で血管を縛り摘出します。   摘出後の精巣 上側が捻転を起こしていた精巣、下側が反対側の精巣です。   摘出後は病理検査を行い、必要に応じて術後に抗がん剤や経過観察を行っていきます。   潜在精巣はこのようなリスクがあるため、症状が出る前の早めの手術をオススメします。   院長

    2019.01.11

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    脾臓の腫瘍(血管肉腫)

    脾臓はお腹の左上あたりにある臓器で、免疫機能や造血機能、古くなった血液の破壊や赤血球の貯蔵などの機能を司どっています。 ほとんどの機能はほかの臓器が代わりに行えるため、摘出しても大きな問題になることはありません。   そんな脾臓ですが、腫瘤が出来ることが多い臓器でもあります。 一般的には犬の脾臓の腫瘤は50%が悪性腫瘍であり、そのうちのさらに50%が血管肉腫であると言われています。   ここでは血管肉腫についてお話しします。   血管肉腫とは血管を構成する血管内皮に由来する腫瘍であり全身に発生します。 一般的には脾臓の血管肉腫がよく知られていますが、脾臓以外にも皮膚・皮下・肝臓・骨・心臓・筋肉などでも発生が認められます。 場所によって症状は様々ですが、脾臓の血管肉腫で最も多い症状は腹腔内出血(貧血)です。 出血の量によっては命にかかわることもある為、早急な治療が必要となってきます。   診断は、画像検査をメインに行っていきます。 レントゲン検査にて脾臓領域に腫瘤が認められます。   次に、超音波検査にてどの臓器に腫瘤があるかをチェックします。 また、ほかの臓器との関連や転移の有無なども同時にチェックします。   血管肉腫では貧血やDICなどが起きていることが多いため、血液検査も必須になります。   各種検査により脾臓の腫瘍が疑われた場合は、治療もかねて開腹を行い、脾臓の摘出を行います。 術前に貧血が認められる場合は、輸血をしつつ手術が必要になる場合があります。 一般的にはHCTが25%以下である場合は輸血を行うことになります。     血管肉腫①   血管肉腫② かなり巨大化しています。   血管肉腫は残念ながら悪性度が高く、手術や抗がん剤を組み合わせても完治が難しい腫瘍です。 進行するまで症状が出ないため、定期的な健康診断を行い早期発見を心がけましょう。   院長

    2019.01.10

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    眼球摘出

    お外に出る猫ちゃんはどうしてもケンカをして帰ってくることがあると思います。 この子も残念ながらケンカをして、右目に穴が開いてしまった子です。     時間が経過していたため、眼球を温存するのは困難だと判断し、眼球摘出を実施しました。   摘出後の様子①     摘出後の様子② 毛が伸びてくると手術した部分は徐々に目立たなくなっていきます。     このような外傷以外のケースでも、緑内障や眼球の腫瘍が疑われるようなケースでも摘出することがあります。   眼球摘出と聞くとどうしても及び腰になってしまう方も多いと思いますが、状況によっては不快な状態から解放されるため、時には一つの選択肢になると思います。   院長 奈須俊介  

    2019.01.09

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    ハリネズミのふらつき症候群(WHS)

    ハリネズミでは、ふらつきや麻痺などの神経症状が認められることが時折あります。 このような症状を神経疾患症状と言い、原因は様々ですが、なかでもハリネズミ特有の病気として「ハリネズミふらつき症候群(WHS)」がよく知られています。   WHSの原因は現在のところ残念ながら特定されていません。 そのため、他の神経疾患を起こす病気を検査しながら診断を進めていきます。   WHSは2歳以下で発症する事が多いと言われていますが、全年齢で発症する可能性がある病気です。 初期症状は、丸まりにくくなったり、つまずくようになったりが多く、徐々に進行し麻痺を起こします。   治療は、鎮痛剤やステロイド、ビタミン剤、抗生剤、点滴などを必要に応じて行いますが、原因が特定できていないため有効な治療法はまだ確立されていません。 食欲の低下が認められる場合は、補助給餌や飲水を行う必要があります。   まだまだ分からないことも多く、治療が難しい病気ですが、何か新しい情報がありましたらお伝えいたします。     院長 奈須俊介  

    2019.01.08

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    2018.12.27 歯みがき教室

      本日の歯みがき教室          M.シュナウザー の ニコルちゃん 6ヶ月齢のやんちゃ盛りなニコルちゃん ですが とっても上手に歯みがき出来ました       今回は デンタルトレーニングブラシ を使用しました   指にはめて使うので 力加減も分かりやすく、 ヘッドも小さいので お口が小さいワンちゃんにオススメです          一番歯垢がつきやすい犬歯 と 奥歯 の磨き方も練習しました       \たくさんご褒美下さい~/      歯みがき成功のコツは. ・ステップを踏んで。無理矢理はダメ~ ・ご褒美はしっかり!! たくさん褒めてあげましょう         \みんなで ハイポーズ/     大ハッスルの ニコルちゃんでした                      

    2018.12.27

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    2018.12.15/16 シニアケア講座に行ってきました!

       JAHA主催の シニアケア講座 を受けてきました         ワンちゃんネコちゃんは 7歳位からシニア期 12歳位から 老化が本格的になる 高齢期 になるといわれています     高齢性認知機能不全症候群 (人でいう 認知症 の様なもの)は  高齢期に差し掛かる子の多くにみられ始めます。 ( 加齢による行動の変化とは 異なる症状です )     発見が早期であればあるほど 進行をゆっくりと、 + 環境の改善 によって 飼い主さんとの楽しい老後を過ごすことが可能です 気になる症状があれば お気軽にご相談下さい         ワンちゃんネコちゃんに多い病気について  ワンちゃんの 死亡原因のトップ3 ・腫瘍・循環器疾患・腎、泌尿器疾患   これらの病気を早期発見 & 治療することで 高齢期 も楽しく豊かな生活をおくることができます   ・食欲が落ちてきた、痩せてきた・水をよく飲む、オシッコの量が多い・疲れやすい、散歩を嫌がる・慢性的な嘔吐、下痢、便秘   年齢のせいにせずに おかしいな?と思う症状があれば ご相談下さい        

    2018.12.16

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    医療機器導入のお知らせ

      尿化学分析装置(thinka RT-4010)を導入しました     これまでの 尿検査 一般項目に加えて  UPC が院内で計測出来るようになりました   ※UPC 尿中タンパク/クレアチニン比 尿蛋白を検出し 慢性腎臓病CKDの病期分類に用います。 UPCの測定値は、国際的なガイドラインで腎機能を検査する上で測定意義が高い項目として注目されています。   以前はUPCを計測する場合 外部機関に検体を出していたため 結果が出るまでに数日かかっていましたが  今後は院内ですぐに結果を判定出来るようになりました   (尿検査の費用はこれまでと変わりません)      

    2018.11.27

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    2018.10.25 歯みがき教室

       スコティッシュフォールド の ももちゃん       \お顔 触られるのも 平気だよ~/          今日は お口を触ることに慣れる& 指磨きの練習!! デンタルペーストを少量指先につけて 優しく擦りました。 ももちゃん とってもお利口に出来ました~   おうちでも まずは短時間から無理せず練習していきましょう!!     歯みがきトレーニングの目的は ワンちゃん猫ちゃんが 歯みがきを快く受け入れてくれるようにすることです なかなか難しいなぁ~と思われる方も まずはご相談下さい        

    2018.10.26

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    2018.10.6 歯みがき教室

      今日の歯みがき教室は 可愛い猫ちゃん   ペルシャ の メープルちゃん     まずは 今の口腔内の状態をチェックします 猫ちゃんは ワンちゃんと違って 口内炎、歯肉炎になる原因が沢山あります。   歯垢、歯石からの歯周病は お口のケアによって予防が出来るので 今日から是非スタートしていきましょう!!     \ご褒美を忘れないでね~ /       ステップ1 の お口を触る、歯を触る を見事クリア~   おうちで毎日練習していただいて 次は指歯みがきにLEVEL UPしていきましょう       \次は 俺もやるぜ~/     猫ちゃんの歯みがきは 機嫌が良いときに、無理をしない、短時間で終わらせる がポイントです   メイプルちゃん とってもお利口に頑張りました!! またお待ちしております。     歯みがき教室は 完全予約制で その子のペースに合わせてワンちゃん、猫ちゃんと一緒に練習していきます   歯みがきの仕方がわからない、なかなか嫌がって出来ない 等 お気軽にご相談下さい。 高齢の子でもスタート出来ますよ(歯周病が酷い場合は 治療後からのスタートをオススメします!口が痛いときに無理して磨くと余計に歯みがき嫌いになってしまいます)    

    2018.10.07

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    秋の健康診断キャンペーン実施のお知らせ

    昨年も実施させていただき、ご好評いただきました健康診断キャンペーンを今年も実施させていただきます。   今年は内容を少し変更させていただき、3つのコースをご用意させていただきました。   期間:10月1日~11月31日 対象:犬・猫・うさぎ・フェレット   ① ベーシックコース 身体検査+血液検査(血球検査+生化学検査) 一般的なコースです。 内容は、身体検査と血液検査です。 いままで大きな病気もなく、気になることもない子たちにオススメです。 フェレットさんとウサギさんはこちらのコースのみになります。   ② シニアコース ベーシックコース+甲状腺ホルモン検査・尿検査 主に7歳以上のワンちゃんネコちゃんにおすすめのコースです。 ベーシックコースに甲状腺ホルモン検査。尿検査が追加になっています。 費用も通常価格よりだいぶお得になっています。 甲状腺ホルモンの病気は、シニアの子たちに多い病気です。 多くても少なくても体に良くないため、早期発見してあげましょう!   ③ 腎臓病早期発見コース ベーシックコース+尿検査・腎臓病マーカー検査・尿タンパク/クレアチニン比検査 慢性腎臓病は早期発見して治療してあげることが重要な病気です。 腎臓病は通常の血液検査のみでは進行してからでないと発見が難しいため、気が付いたら末期だったと言うことは珍しくありません。 今回のコースでは、初期の腎臓病を発見できる腎臓病マーカー検査と尿検査もセットになっているため、より早期に腎臓病を発見することが出来ます。 高齢期のワンちゃんネコちゃんには特におススメの検査になっています。       ※健康診断は予約の必要はありません。 ※より正確な検査を行うためには朝ごはんを抜いていらしていただくことをオススメします。

    2018.09.27

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