ウサギの病気
不正咬合
- 不正咬合とは
- ウサギさんの歯は、生涯にわたって伸び続ける「常生歯」です。
この歯が適切に削られるためには、上下の歯が正しい場所に整列し、すり合わせる運動を永遠に続けなくてはなりません。
したがって、何らかの原因で歯の配列に異常をきたした場合には不正咬合に進行する可能性は非常に高くなります。
一度不正咬合になると徐々に進行し、根本的な治療は難しくなるため継続的なケアが必要になってしまいます。
歯に棘ができてしまっています。
症状としては、食欲不振のほかに歯ぎしり・涙が増えてきた・前足の内側が汚れている・よだれが多いなどが多く認められます。
特に、ウサギさんの食欲不振は多くは不正咬合から起きています。
治療について
不正咬合の治療は、伸びた部分の歯をカットすることです。
場合によっては抜歯を行う場合もありますが、一般的ではありません。
切歯(前歯)の不正咬合の場合は、マイクロエンジンを用いて適切な長さにカットします。
麻酔が必要になるケースはほとんどありません。
通常の診療の一環として治療を実施できます。
臼歯(奥歯)の不正咬合の治療は状況によって変わってきます。
大人しい子で手前側の歯であれば、麻酔をかけずに特殊な器具を用いてカットをします。
ただし、初めての処置や奥の方であれば基本的には全身麻酔下で処置を行っています。
カット前
カット後
予防について
一番の予防は、適切な咀嚼をさせることです。すなわち乾草中心の生活を送ってもらうことです。
乾草中心の食生活を送ることにより処置の間隔を大幅に広げられるケースは多いです。
ただし、ウサギさんは食事の切り替えが難しく、急激な食生活の変更はリスクを伴うこともありますのでご相談ください。