症状別お悩み

犬の病気

食物アレルギーによる痒み・脱毛と治療

食物アレルギーとは一言でいえば、「食べ物が原因で痒みや消化器症状が生じる疾患」です。

アトピー性皮膚炎とこんがらがってしまうことがありますが、二つは別の病気であり併発することもあります。

 

食物アレルギーとアトピー性皮膚炎は似たような症状を示すため、身体検査などではこの二つを鑑別することはできません。

しかし食物アレルギーにはいくつかの特徴があるため、この特徴に当てはまっていれば疑いが強くなります。

 

食物アレルギーに多い特徴としましては

① 季節を問わず、1年中痒みがある

② 1歳未満で発症、もしくは3歳以降に発症している

③ 口・目・肛門・腰に痒みが出ている

④ 消化器症状(下痢や嘔吐)を伴っている

※うんちの回数が1日3回以上だとアレルギーの可能性があると言われています

などが挙げられます。

 

痒みを主訴に病院に来院された場合は、まずは感染症(細菌・カビ・寄生虫など)の除外を行います。

いつから発症しているか?どこが痒いのか?

なども重要な情報ですので、よく観察していただけると診断の手助けになります。

 

 

 

 

食物アレルギーの可能性が考えられた場合、除去食試験を実施していきます。

除去食試験とは、アレルギーをおこしにくいご飯に変えて2か月間皮膚の状態を確認していくというものです。

アトピーの併発が疑われる場合は痒み止めを併用しながら経過をみていきます。

 

  

食物アレルギーが疑われたワンちゃんです。

口・目の周囲に顕著に皮膚病変が認められました。

 

 

感染症の除外の後、除去食試験を開始して2か月間経過をみたあとの状態です。

 

赤みもとれ、毛並みも良くなり、痒みも無くなりました。

 

この後は除去食に少しづつ別のフードを追加していき、痒みが出ないかを見ながら食べられるフードを探していきます。

 

除去食試験以外の方法で食物アレルギー検査もありますが、確実な方法ではありません。

すべての食材に対する検査も行えないので、食物アレルギーの診断は除去食試験がスタンダードな方法です。

 

痒みや脱毛などでお悩みのことがあれば一度ご相談ください。

葉山一色ペットクリニック
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