肛門周囲に出来る腫瘍
肛門周囲に出来る腫瘍には、
- 肛門周囲腺腫
- 肛門周囲腺癌
- 肛門嚢アポクリン腺癌
などがあります
肛門周囲に出来る悪性腫瘍は、高率にリンパ節転移が認められるため、術後も放射線治療や化学療法(抗がん剤)が必要なケースが多いと言われています
そのため、早期発見・治療が重要になってきます
肛門周囲腺腫
肛門周囲腺とは、肛門周囲・包皮・腰背部・尾部に分布する皮脂腺の一種です
雄性ホルモン依存性に過形成や腫瘍化を起こすため、肛門周囲腺腫は未去勢の雄に多く認められます
肉眼的には皮膚の腫瘤として認められるため、後述する肛門嚢アポクリン腺癌とは見た目で鑑別することが可能です
治療は腫瘍の切除および未去勢の場合は去勢手術を行います
良性腫瘍であるため、リンパ節転移や局所浸潤は認められません
肛門周囲腺癌
良性の肛門周囲腺腫に対して、肛門周囲腺癌は悪性腫瘍であり周囲の組織への浸潤やリンパ節転移などを伴うことがあります
肛門周囲腺腫との鑑別は難しく、病理検査にて診断を行います
治療は腫瘍の切除が中心となりますが、リンパ節転移が認められている症例は摘出および術後の放射線療法を組み合わせて治療を行います
肛門周囲腺癌は去勢手術に対する反応は無いといわれていますが、未去勢の場合は同時に去勢手術を行うことが一般的です

自壊を伴う肛門周囲腺癌

術後の様子
肛門嚢アポクリン腺癌
肛門嚢腺組織由来の悪性腫瘍であり、肛門周囲腺腫とは異なり雌雄差は無いとされています
リンパ節転移が認められることが多く、巨大化したリンパ節によって排便困難の症状を呈する場合があります
また、リンパ節から脾臓・肝臓・肺・骨転移する場合もあります
治療は手術が中心となりますが、Stageによっては放射線療法や化学療法(抗がん剤)を組み合わせて行います
手術
肛門嚢摘出術にはOpen法・Closed法・Modified closed法がありますが、腫瘍の摘出の際はClosed法で行います

肛門嚢の導管を分離している様子

摘出後

術後
外肛門括約筋の一部を切除するため、術後は一時的な便失禁が起こることがあります
その他の合併症としては、直腸穿孔や手術部位の感染症などがあげられます
まとめ
- 肛門周囲に発生する腫瘍は、悪性腫瘍も多くリンパ節転移を起こすものもあるため初期の診断が重要です
- 肛門腺の腫瘍はトリミングなどの定期的なお手入れの際に見つかることも多く、症状が出ていないケースが多く認められます
- 初期は身体検査で見つけることが難しいため、直腸検査や肛門腺絞りなどを行うことが早期発見につながる場合があります










