僧帽弁閉鎖不全症
犬の僧帽弁閉鎖不全症は、心疾患の中で最も多い疾患です。
中~高齢の小型犬種に多く認められ、特にキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは好発犬種として非常に有名です。
この病気は、主に房室弁の変性により弁の閉鎖が不完全な状態になり血液の逆流を起こす病気です。
症状は、発咳・運動不耐性・呼吸促拍・呼吸困難など様々です。
悪化すると失神する場合もあります。
この病気が疑われたら、まずはレントゲン検査や心エコー検査を行い心臓の状態をチェックします。
この症例は左心房の拡大が顕著に認められました。
続いて、心エコー検査です。
心エコーでは、血液の逆流や速度をチェックしたり、サイズを計測したりします。
最後に臨床症状などを含め、検査結果から心不全のステージを分類します。
新しい研究によると、心拡大はあるが症状がないステージにおいて投薬を始めると次のステージへの進行が約15か月延長したとの報告があります。
心不全は、症状が出始めると進行がとても早いため、早期発見・治療が重要になってきます。
葉山一色ペットクリニック