はじめに
ウサギは子宮の病気が多く、避妊手術は一般的に多く行われています
それに対して、去勢手術は行う機会はあまり多くはありません
しかしながら、去勢手術を行うことにより以下の問題行動の抑制を行うことができます
- スプレー行動
- 多頭飼育時のケンカ
- 人に対する攻撃行動
- マウンティング
特にスプレー行動の抑制に有効です
また、去勢手術が必要となる病気としては
- 精巣腫瘍
- 精巣炎
- 精巣上体炎
- 陰嚢ヘルニア
などがあり、これらの病気が疑われる場合は手術を行います
手術適期
体の成長や体力面において、生後6か月以降が推奨されています
理論上は精巣が陰嚢内に収まるのは「生後4か月」程度のため、その頃から手術は可能です
ただし、ある報告によると低年齢での去勢手術は尿道の成長異常をもたらし、将来的な排尿障害を起こす可能性が高くなるとも言われているためやはり生後6か月~12か月あたりで行うことをおススメしています
手術
手術は全身麻酔下で行います(一般的にはウサギの全身麻酔は犬猫に比べるとややリスクが高いです)
術後の胃腸の運動機能の低下を予防するための消化器薬の投与や抗生物質・鎮痛剤の投与も行います
手術の方式は開放式と閉鎖式に分かれますが、当院では開放式を選択しています

手術前

手術中の様子

術後
精巣につながっている血管は、機械を使用してシーリングして止血します
傷口は左右の精巣の間の皮膚1か所です
術後は7~10日後を目安に抜糸を行います
術後しばらく間(1~2か月)は副生殖腺に精子が残っているため、未避妊メスの子からは隔離する必要があります
また、術後はエネルギー要求量が低下するため食事量(ペレット)は10%程度減らす必要があります
まとめ
- オスはメスと比べて生殖器疾患のリスクは高くはない
- 去勢手術の主な目的は、多頭飼育時・問題行動などに対して行う
- 全身麻酔のリスクは犬猫と比べるとやや高い
- 術後一時的に食欲低下などが起こる場合がある
- ウサギも高齢化が進んでおり生殖器疾患の発生率も上昇することが予想されるため、将来は去勢手術も一般的になると思われます
葉山一色ペットクリニック










