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多中心型リンパ腫の症例

リンパ腫とは

リンパ腫とは、一般的にはリンパ系組織(リンパ節、肝臓、脾臓など)から発生する悪性腫瘍でありますが、どこの臓器にも発生する可能性がある病気です。

リンパ腫の分類方法にはいくつかありますが、発生する場所によって名前がつけられています。

  • 多中心型リンパ腫
  • 縦隔型リンパ腫
  • 消化器型リンパ腫
  • 皮膚型リンパ腫
  • 鼻腔内リンパ腫
  • その他、様々(節外型)

 

犬の場合は多くは多中心型リンパ腫であり、体の表面のリンパ節の腫れを主訴に来院するケースが多くあります。

 

 

多中心型リンパ腫とは

全身の体表リンパ節の腫脹を特徴とし、胸の中やお腹の中のリンパ節の腫大や骨髄などの全身のリンパ系組織に浸潤していきます。

初期は無症状であることも多く、進行に伴い食欲不振・体重減少・嘔吐・下痢・呼吸困難など様々な症状が現れます。

 

多中心型リンパ腫の中には悪性度が高いタイプと低いタイプに分かれますが、多くは悪性度が高いタイプです。

 

検査について

リンパ腫は、全身の臓器に浸潤している可能性があるため全身の検査が必要になります。

まずは腫れているリンパ節の細胞診断を行い、リンパ腫かどうかを判断します。

リンパ腫の可能性が高ければ、胸の中やお腹の中をレントゲンエコー検査で確認し、血液検査で骨髄に浸潤していないかなどをチェックしていきます。

    

 

 

治療について

リンパ腫の治療のメインは化学療法(抗がん剤)になります。

抗がん剤にはたくさんの種類があり、いくつかの種類を組み合わせて治療(プロトコールと言います)していくことが一般的です。

プロトコールによって治療に対する反応率も違っており、専門家の先生たちが日々どのプロトコールが成績が良いか研究していますが残念ながら現在のところ完治させる方法はなく、1年生存率は50%程度と言われています。

 

抗がん剤は副作用が出ることもあるのですが(出ない子もいます)、副作用を最小限にする方法もあるのでどの治療が良いかその都度相談しながら考えていきましょう。

  

葉山一色ペットクリニック
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