歯周病について
歯周病とは、口の中の菌によって引き起こされる「歯肉炎」と「歯周炎」を総称した病気の名前です。
犬や猫の歯周病は、他のどの病気よりも発生率が最も高く、3歳以上の犬・猫の多くは歯周病を生じていると言われています。
高齢になるにつれ発生率は高くなり、また大型犬よりも小型犬の方が発生率が高く進行が速いと言われています。
ヒトでは歯垢から歯石に変化するのは数日から1か月かかるのに対して、犬の場合は3~5日で歯石に変化します。
そのため、毎日の口腔内ケアを行わないとすぐに歯石が沈着してしまいます。
歯周炎が進行すると、皮膚に穴が開いて膿がでてきてしまったり(外歯瘻)、上顎の骨が溶けてしまい鼻汁が止まらなくなってしまったりします(口鼻瘻管)。
この子は奥歯に穴が開き、綿棒が貫通してしまっています。
歯周病が原因で顎の骨が骨折するケースもあります。
その他、近年では歯周病の全身性疾患への影響が議論されており、犬では心臓・肝臓・腎臓において炎症が認められたとの報告が複数あります。
歯周病の治療について
歯周病の治療の基本は、歯垢・歯石除去になります。
状態によっては抜歯が必要になることも有ります。
全身麻酔下によって、歯垢・歯石除去(スケーリング)、ルートプレーニング、キュレッタージ、研磨(ポリッシング)を行います。
歯周病の治療後の管理の基本は毎日のブラッシングです。
せっかくスケーリングを実施しても、その後のケアを行わないと急速に歯垢が付着してしまします。
毎日のブラッシングで、いつまでもキレイな歯を保ちましょう。
葉山一色ペットクリニック