- 子宮蓄膿症とは?
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子宮蓄膿症とは細菌感染により炎症が起こった結果、子宮腔内に膿が貯留する病気です。
高齢の未経産犬や長く繁殖を行っていない犬での発生が多く報告されています。子宮蓄膿症の多くは、発情出血開始後1~2か月の黄体退行期に発症するため、発症には黄体ホルモン(プロジェステロン)の分泌が関与しているといわれています。
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- エコー検査を行うと、子宮内腔の拡大が認められます。
症状は?
開放性子宮蓄膿症の場合は、外陰部より膿が出てきます。
膿が出てこない閉鎖性子宮蓄膿症もあり、通常閉鎖性の方が症状が重い傾向にあります。
その他の一般的な症状としては、食欲不振・元気消失・発熱・多飲多尿・嘔吐・腹部膨満が認められます。
進行すると、腎不全やDIC(播種性血管内凝固症候群)といった命に係わる病気を引き起こすこともあります。
治療は?
最も推奨される治療は、手術により卵巣・子宮の全摘出を行うことです。
ただし、手術のリスクが高い場合、繁殖を希望する場合などには内科的治療を行うことも有ります。
この症例は、子宮蓄膿症と卵巣の腺がんを併発していました。
このように黄体に異常が認められるケースが多いです。
内科治療
子宮蓄膿症の発生に関係する黄体ホルモンを減少させる薬の投与を行います。
いままでは海外でしか販売されていませんでしたがようやく日本でも入手可能となりました。
副作用も少なく使いやすいお薬ですが、病気の原因によっては効果を示さないこともあるため注意が必要です。
内科治療の問題点としては、次回以降の発情後の黄体期に再発する可能性が高いという事です。
葉山一色ペットクリニック